干物も鮮度が命。産地直送・製造販売ならではの新鮮さがここにあります。わたしの干物へのこだわりご紹介いたします。
市場から帰ってきた魚はプロの眼で1匹ずつ選別します。手間はかかりますが、1匹ずつ手にとって選別します。秤で重さを測りながら、鮮度のよくない魚は除きます。手選別だからこそ、できることです。
1匹1匹、丁寧に開いたりえらをとったりします。手にとることで、魚の鮮度がよりはっきりわかります。身のしまり具合は見た目だけではわからないこともあります。
のどぐろの場合、開いた瞬間が工場長の緊張の一瞬。この時に、身のしまりが悪いと、容赦なく、ミール工場(魚粉)のバケツへと投げ込まれます。
カレイは串に刺しそれ以外は簾に並べます。洗浄の後、うろこ、えら、内臓を除去。魚の脂の状態・大きさにより、塩水濃度5~10%(魚の種類・大きさ・脂のりによって調整。実際に魚に含まれる塩水濃度は2~3%)の塩水(天然海水塩以外無添加)に漬け味付けします。(味醂干の場合は、醤油等独自の漬けだれ)干し上がり後、すぐに冷凍庫(ー27度)にて冷凍します。
干物を干すのに大切なのは、低温で湿気がなく適度な冷風があること
干物つくりに最適な条件(温度・湿度・風等)が当てはまる日は年にほとんどありません。冬の寒い日で雪の降らない適度な風のある日が天日干しに最適です。そんな日以外は、かえって魚を傷めることになります。)
美味しい魚には多くの脂肪分が含まれています。
美味しい魚には多くの脂肪分が含まれています。その脂肪分が天日に干すことで酸化されてしまうのです。干物は乾燥させるのでは無く、余分な水分を取り除き旨みを熟成させながら干していきます。その際、重要なのは干し加減です。干し過ぎないように細心の注意を払います。当店では冷風乾燥機を使っています。その日の魚の状態にあわせて干し時間は調節されます。途中でも、乾き具合をみながら加減します。
冷風乾燥機を使うことは衛生面でも利点があります。
外気温 湿度によって、干時間を調整します。干し上がった干物はすぐに食べるのが一番です。しかし、お客様の元に届けるにはどうしても時間が必要です。干物を常温または低温の状態でおくと、干し戻りがおきます。(干物に含まれる塩分が水分をよび、ねっとりしてきます。)常温または低温で置くには、昔のようにカラカラに干しあげた堅い干物になってしまいます。
それで、当店では出来上がりに一番近い状態でお客様の食卓に運ぶため急速冷凍(-27度)に冷凍します。干し上がりの状態を変えないことも美味しい無添加(食塩以外)の干物をお届けする重要なポイントだと考えています。ヤマト運輸さんのクール冷凍便で送らせて頂いているのもこのような理由からです。また冷凍のまま焼くと、身がくずれしにくく、焼きやすいです。ぜひ解凍せずに焼いてください。
それは、干物には塩分が含まれておりますので解凍すると必ずドリップが出てしまいます。その際に、ドリップの中に旨みまで溶け出します。
それで当店では冷凍のまま調理することをおすすめしています。また、冷凍のままの方が、焼き網にくっついたりせずきれいに焼けます。また保存される時には、なるべく空気に触れないように1枚づつラップされるとより鮮度が保たれます。 (保存袋に入れてお届けした商品はそのままお入れください)
よく脂がのっていて美味しいと言われるのは、脂質含有量が高いということです。ではなぜ、山陰浜田の魚は脂質含有量が非常に高いのでしょうか。それは、島根県西部沖には「カラヌス」と呼ばれる体の半分以上が脂で構成されているブランクトンが生息していて、これが島根県西部沖の魚の栄養源となり、豊富な脂質含有量に関連しているのではないかと考えられています。